現在、企業間の決済手段として広く利用されている「紙の手形」の交換が、2026 年 12 月末をもって終了いたします。これは、経済界全体のデジタルトランスフォーメーション（DX）推進の一環であり、より安全で効率的な決済インフラへの移行を目的としています。

手形の利用がなくなることで、企業間の決済は「でんさい（電子記録債権）」を始めとするキャッシュレス決済に本格的に移行していきます。手形を受け取っている企業様は、この大きな変化への準備を進める必要があります。

手形交換終了後の決済はどうなる？

2026年12月末以降は、紙の手形は銀行での取り扱いができなくなります。手形に代わる主な決済手段は以下の通りです。

• でんさい（電子記録債権）: 手形と同様に、期日前の割引による資金化が可能な電子債権です。インターネット上で管理されるため、紛失や盗難のリスクがなく、印紙税も不要です。
• 振込決済: 最も一般的なキャッシュレス決済。
• ファクタリング: 売掛債権を買い取ってもらうことで、期日前に資金化するサービスです。

  特に、手形と同様の「期日前資金化」のニーズがある企業様にとっては、でんさいが最も有力な代替手段となります。

でんさいの受け取り準備はお済みですか？

これまで手形を受け取っていた企業様は、今後取引先からでんさいで支払いを受ける機会が増えていきます。スムーズに事業を継続するためには、でんさいの受け取り体制を整えることが不可欠です。でんさいを受け取るためには、主に以下の準備が必要となります。

1. でんさいネットに加入している金融機関での口座開設:でんさいの受取・利用には、でんさいネットに参加している金融機関（主力銀行など）でのでんさい利用口座の開設が必要です。まだ開設がお済みでない場合は、お取引金融機関にご相談ください。
2. 社内での「でんさい」に関する理解促進:経理ご担当者様はもちろん、経営層や営業担当者様も、でんさいの基本的な仕組みやメリット、手続きについて理解を深めることが重要です。
3. 取引先との情報共有:手形での取引がある場合は、今後のでんさいへの移行について取引先と事前に話し合い、受け渡し方法などを確認しておくことをお勧めします。

手形からでんさいへの移行は、すべての企業にとって避けて通れない課題です。この機会に、でんさいへの対応を進め、より効率的な資金管理体制を構築しましょう。

―　手形割引業者で手形割引をすることとは　―

手形は支払期日まで待たなければ通常現金化できませんが、支払期日前に「銀行」や「手形割引業者」で支払期日までの金利を支払うことで現金化（手形割引）できます。　 銀行は、お客様の信用状況を見て手形割引の取引をしますのでかなりハードルが高く時間もかかります。　手形割引業者は、手形の振出人（発行元の企業）の信用状況を見て割引の可否を判断いたします。よって、優良企業の振出の手形は、安い金利で現金化できます。　更に手形割引業者は、銀行に比べ手続きが簡単で即時に手形を現金化出来るという最大のメリットがあります。