手形割引の新常識とは。 銀行の方が割引料が安い? 遠方より地元業者が安心? 果たして本当でしょうか。 手形割引のプロが教えるワンポイントアドバイスです。
銀行や信用金庫・組合で手形割引枠を作るとき、金融機関は融資の一部として扱います。 よって、他の融資と同様に保証料や積み金などの拘束預金を要求されることがあります。 特に保証料は割引枠の上限額に対し支払わなければならず 割引の利用が少なければその負担は実質金利として上乗せされ、預金などのキャッシュアウトにより資金効率も下がります。 時間的にも新規の割引枠の申込から割引の実行まで早くても1~2週間かかると思われます。 また、割引料についても 上場企業などの信用度が高い企業の手形によっては、手形割引業者の方が安い場合もあります。
インターネットで検索すると数多くの手形割引業者のホームページを見ることが出来ます。 個人や地方の中小企業が振り出した手形は、やはりその地元の業者が一番情報を持っていますので割引の可能性が高くなります。 一方、上場企業や地方の中堅企業の場合は、IRや興信所の情報が入手できますので、数社に割引料の見積を依頼しその中で安心できる業者を選べばいいと思います。 2012年から電子手形の割引が出来るようになり、紙の手形のように郵送の手間もなくなり、瞬時に現金化できるようになりました。 業者選びの選択枝も増え、安くて安心確実な手形割引業者が生き残っていく事でしょう。
売掛金を回収するには、手形と現金の2つの方法があります。 現金の方が、手形の不渡りもなく焦げ付くことはありませんが、支払う側も条件変更となると値引きを要求してきます。 売掛金の2-5%を値引くとなると、手形割引料では6-15%(4か月手形の場合)に相当する額になり、手形を貰って割引した方が手取り金額は多くなると思われます。 また、売掛先の会社の信用状況に不安がある場合は、その会社が振出した手形ではなく、より信用力がある他社から貰った手形を裏書してもらい、回しで貰う方法もあります。 手形と現金の二者択一という単純な考えではなく、資金繰りの状況を踏まえながら総合的な与信管理が必要とおもわれます。
給料や仕入れ先への支払など予定日に合わせて、事前に見積りを取っておきましょう。 その時、手形割引業者の担当者に疑問点や不安な所を詳しく聞いておくとよいでしょう。 適切な返答やアドバイスがない業者へは、いくら見積金額が安くても割引は控えた方がよいと思われます。 また、早めに割引すれば、割引料を少し安くしますなど担当者のノルマ達成を優先するような業者も要注意です。 今後、電子手形が普及すれば、必要な時に必要な金額のみを瞬時に割引できるようになります。そのような状況になると、急な割引申込みに的確に対応できる企業調査力と潤沢な資金力がある手形割引業者がお客様から選ばれるようになると思います。