危ない取引先(社内の雰囲気編)の見分け方をお教えいたします。 社員の退職が目立つ、社内が雑然となってきた会社など。 手形割引のプロが教えるワンポイントアドバイスです。
最近、上場企業や老舗といえどもいつ倒産するかわからない時代となりました。特に民事再生法施行後は、企業の倒産するまでの時間は、以前に比べかなり早くなって来ています。そのような状況において、今までの取引先が、これからもずっと大丈夫という保証は、ありません。取引先のちょっとした変化を見逃さず、与信管理に役立つポイントをお教え致します。
女子社員は通常3~4年のサイクルの在社期間が多いが、突然数人固まって退職するとかになると、給料の遅配や未払と考えられる。若年女子社員は容易に転職可能なため、会社に対する未練はないので直ぐ辞めることが多い。
ボーナスはカットされ給料が遅配してくると、従業員の仕事に対する熱意は失われ、やる気をなくす。職場の人間関係も悪くなり、問屋や来客に対し不愛想な態度をとり、応待や電話にもツッケンドンな返事しかかえってこない。 特に営業マンにこのような態度が出ると最悪の事態と見てよい。こちらの方から時々、相手方を訪問して、常に従業員の態度やサービス振りを監視することが大切である。
社長と面会中に電話があり、小さな声でボソボソ言ったり、また社員がヒソヒソと小声で応答している時は、殆どが借金の言い訳と見てよい。あるいは融手の相談か、金融ブローカーに資金繰りを依頼しているか、銀行から残高不足の督促電話かもしれない。 通常の商取引では笑顔やユーモアが出たり、大声になることが多い。取引先に時々訪問して長居することも大切な勉強になる。
経営が悪化してくると従業員のやる気をなくし、ボーナスの支払いも少額となり社内の人間関係も悪くなる。社内は雑然として掃除は怠たり、会社内や倉庫の整理整頓が徹底されず、デッドストックや返品の山があちこちに積んであり、会社の車も故障だらけとなり、仕事も単純ミスやポカが多くなり、お客のクレームが増えてくる。
会社の資金繰りが苦しくなってくると、社長や経理責任者のところへ今まで見たことのない怪しげな人物が出入りするようになる。手形ブローカーや、悪名高いパクリ屋等である。また、手形をパクられると手形回収係の「サルベージ屋」が出入りするようになる。 会社が苦しくなると、このような危険人物が出入りするようになるので警戒を怠らないことだ。
四流企業やつぶれかかった会社の中には、会社の隅々まで目が届かず、トイレの汚れが目立つ会社が出てくる。経営が悪化してくると、社長も社員も細かい点に神経が行き届かず、トイレは汚れっぱなし、応接室にはほこりがたまり、去年のカレンダーを貼ってあったりする。 取引先を訪問する時は、必ずトイレを拝借し、清掃状況をよく見て与信に役立てている営業マンもいる。